大分県竹田市を訪ねて(1):湯平「橋本温泉」
「明日、おおいたよ。タケダシの友達の店に行くよ。行くやろ?この前飲んだ時話したじゃん、おぼえてる?」
もちろん覚えてない。
ついでに言うと、タケダシと聞こえた言葉が何なのかもわからない。
…タケダ氏?タケダ市?…まさか炊き出し?
電話を切って早々に「たけだし」をググってみる。
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もしかして:竹田市
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そのもしかして、のことだろな。
僕の勘よりはグーグルの方が信用できる。大分県竹田市というのがあるらしい。なんにせよ「行く」ってゆった。ひろりんとゆーちんと いくみさんなら楽しいだろうし、どこだっていいのさ。
(注:正確には「たけたし」…後日ご指摘を頂いた。みんなまちがってた(笑。)
昼前にみんなが迎えに着てくれた。湯布院経由でその竹田市に行くそうだ。
暑いなあ。
湯布院なんて 何年ぶりだろう。
冷たいラムネを飲みながら街を散策。
愛嬌のある鳥が流れに足を踏ん張って餌をねらってた。餌がなんなのか、僕は知らない。いつもこの場所で狩りをしてるらしく、目の前の店に張り紙で説明があった。「ゴイサギ」というらしい。
しばらくぶりの湯布院はまた、お店が増えていた。「田舎モダン」風のみやげもの屋。でも、なんだか、そのセンスがあざとく思えて、なんだかなあ。若いカップルなんかには、時間がつぶせていいのかもしれないけど。
なぜだか、湯布院では風呂にはいらなかった。
そして湯平温泉で、面白い風呂にはいったのだ。
湯平温泉は湯布院の隣、車で30分ほどのトコロ。歴史は湯布院より古くて、室町時代の文献にはもうその記述があるらしい。川に沿って広がってる、石畳が印象的な温泉街。湯布院がピークだとしたら、こちらはすでにそれを通り越したような、ひなびた雰囲気…いや、僕はそーゆーの、好きなんだよ(笑。
ちいさな案内所を訪ねて、公衆浴場では一番広いという「橋本温泉」に行くことにした。
料金200円なり。
…扉をくぐって、僕らはおののいた。
ゆーちんのあごが落ちる音が聞こえた。
脱衣所も風呂もこの部屋ひとつ。浴槽もひとつ。シャワーもないし、風呂椅子もない。もちろん備え付けのシャンプーなど想像もできない。至れり尽くせりのスーパー銭湯に比べたら、高潔なまでのシンプルさ。
んでまた、ありがちだけど掛かり湯がすんげー熱い(笑!
「ああ、そこが一番熱いよ。そこからお湯がでとるから」
おじちゃんによると、浴槽の真ん中から少しずれたところに板で仕切りがしてあって、やや狭い方が「熱め」もうひとつが「ぬるめ」らしい。
ぬるめの方でも十分熱かったが、浸かってるうちになれてきた。泉質もミネラリィな輝き、透明度があって、キレイだ。って、ワインの表現みたいやけど(笑。地べたに座っておしりに岩肌を感じながら火照ったカラダをごしごしやってると、爽快な気分になってきた。
ま、日頃、シャンプーだ、バスソルトだ、半身浴だって、それが当たり前になりすぎてるけど「風呂に入る」って原点はこういう感覚なのかもしれないな。
冷房の効いた車の中で、あぢーって、なかなか火照りが収まらないカラダを座席に沈めていよいよ竹田市に向かう。
今夜はビールがうまいだろう。